多重対数函数その2
前回は単に多重対数の定義を書いただけだった。そんなに多重対数はメジャーじゃないっぽいのでリンク貼っての紹介だけでもいいと思う(Wikipediaを参考にすれば十分に計算できると思う)が、今回はもうちょっと他の函数との関係を紹介しておく。
これまたWikipediaに載ってる内容ではあるが多重対数 とゼータ函数、そしてHurwitzのゼータ函数 との関係を紹介する。リンクはフルヴィッツのゼータ函数 - Wikipedia(Hurwitz zeta function - Wikipedia)である。
まずは多重対数の を見てみると
\begin{align} \mathrm{Li}_s(1) = 1 + \frac{1}{2^s} + \frac{1}{3^s} + \frac{1}{4^s} + \cdots &= \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^s} \\ &= \zeta(s) \end{align}
となっており、多重対数はゼータ函数を含む形になっていることが分かる。
次に名前があがったHurwitzのゼータ函数を紹介する。定義は次に示されるものである。
\begin{align} \zeta(s,a) = \sum_{n=0}^\infty \frac{1}{(n + a)^s} \end{align}
よく見るゼータ函数との違いは和が から始まっており各項に のシフトが導入されてることだ。したがって という関係になっている。
このHurwitzのゼータ函数との関係は
\begin{align} \mathrm{Li}_s(z) + e^{\pi is} \mathrm{Li}_s(1/z) = \frac{e^{\frac{\pi i s}{2}} (2\pi)^s}{\Gamma(s)} \zeta\left(1-s, \frac{\ln z}{2\pi i} \right), \end{align}
ただし 。無条件で書き直せるものではないっぽいです。
多重対数函数の参考文献として『Polylogarighms and Associated Functions』(Leonard Lewin)も挙げておきます。中古しか無いし値段がとんでもなく高騰してますが一応リンクも貼っておきます。
Polylogarithms and Associated Functions
- 作者: Leonard Lewin
- 出版社/メーカー: Elsevier Science Ltd
- 発売日: 1981/07/01
- メディア: ハードカバー
- この商品を含むブログを見る