第2種変形Bessel函数: 原点近傍
前回は第2種変形Bessel函数 の積分形っぽいのを見てみた。今回は原点付近でどのように展開できるのかを見てみる。参考にしたのはみんながお世話になってるだろう岩波数学公式集のIII。
そのp172にある関係式
\begin{equation} K_{n+\frac{1}{2}}(x) = \sqrt{\frac{\pi}{2x}} e^{-x} \sum_{r=0}^n \frac{(n+r)!}{r! (n-r)!} \frac{1}{(2x)^r}, \quad (n\in\{0,1,2,3,\dots\} )\end{equation}
を元に 近傍を調べる。両辺に を乗じてやると
\begin{equation} x^{n+\frac{1}{2}} K_{n+\frac{1}{2}}(x) = \sqrt{\pi} e^{-x} \sum_{r=0}^n \frac{\Gamma(n+r+1)}{\Gamma(r+1) \Gamma(n-r+1)} \frac{x^{n-r}}{(2)^r} \end{equation}
となる。ここで階乗はガンマ函数に書き換えておいた。ここで とおくと
\begin{equation} x^{n+\frac{1}{2}} K_{n+\frac{1}{2}}(x) = \frac{\sqrt{\pi}}{(2)^n} \frac{\Gamma(2n+1)}{\Gamma(n+1)} + O(x) \end{equation}
のように一番ドミナントに効く定数項が得られる。次に にすることで
\begin{equation} K_{\nu}(x) = \frac{\sqrt{\pi}}{(2)^\nu} \frac{\Gamma(2\nu)}{\Gamma(\nu+\frac{1}{2})}x^{-\nu} + O\left(x^{-\nu+1}\right), \quad(x \ll 1) \end{equation}
が得られる。ガンマ函数に書き換えてるので0と正の整数とに限定されない式になっている。ということで 近傍では一番効く発散が に比例していることが確認できた。加えてその係数も確認できた。
十中八九もっと自明な調べ方があると思うけど自分はこうしたってのを挙げている。